感想地帯

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アニメ「はたらく魔王さま!」の一話前半が唸るほど素晴らしいので感想をだだ漏らす

   

今更一話の感想

はたらく魔王さま!、面白いです。もう六話がニコニコ動画で流れましたね。今更ですが、一話が個人的に凄く素晴らしいなって思うんですよ、ええ。

その後の話へと繋がるための大切な一話。この一話で、どれだけ世界感の説明ができるか、視聴者を惹きつけられるのかってのは、製作者さんの永遠のテーマなのだと思います。実際「一話で切った人かわいそう」なんて言われてしまうアニメもちょこちょこ耳にします。

私はヘッポコピーではありますけれど小説を書くのですが、この「はたらく魔王さま!」あらゆる点で参考になる部分が沢山あってとても勉強になります。

特に物語の導入、解説はまさに完璧。素晴らしいの一言です。

自分の備忘録もかねて、ゆっくりと視聴しながら一つ一つの要素を追っていこうかなと思います。

ファンタジーの典型的な導入から入る

00:00~

魔王サタンが世界征服を企むエンテイスラ。魔王には四人の――なんて典型的なこてこてファンタジー世界の解説から始まるのは王道ですね。特に異世界ものでは定番中の定番です。だからこそ、手を抜くと白ける場面でもあるかと思います。3D映像、モンスターたちの行進、血みどろの戦争。こういうハードな場面を最初に見せるのは「はたらく魔王さま!」というやわらかいタイトルからするとギャップがあって良いと思います。

音楽もカッコよく、ナレーションも物々しい。この最初の数分だけで見入ります。同時に、「元の世界での彼ら」の姿、強さをアリアリと見せつけられます。

独特な言語、「エンテイスラ語」

03:10~

「エンテイスラ語」という言語なのかはわかりませんが、キャラクター達は地球にはない言葉で喋ります。発音はなんとなーく英語に近いような気がしますが、雰囲気でていますね。とても良いです。

最初はこの「エンテイスラ語」、単純にこのファンタジーシーンの盛り上げだけのためかと思っていたのです。それだけだとただの雰囲気作り、こだわりに収まる範囲だと思っていました。

そして地球へ

04:10~

傷を負った魔王たちはゲートを通り地球へやってきます。魔王の体は人間のそれとなり、異文化に戸惑います。

なんかあれですよね、現代にタイムスリップしたお侍さん、そんな雰囲気。

「やめろ、魔法を使うな!」とかコッテコテです。

ただ、それを「エンテイスラ語」でやりとりするんです。このためか! と衝撃を受けましたよ。やられた、と。

.

05:10~

地球人と接触します。それも警察。

一方は日本語、もう一方はエンテイスラ語。コントです。完全に。

警察は魔王たちを海外の人だと思い込み、保護しようとします。言語の通じないお互いが掛け合いしても、なんの違和感もありません。問題なく物語は進行しています。

ここで、アルシエル(魔王の部下の一人)に警察が触れ、アルシエルは飛び退き魔法を放とうとします。

が、不発。

イオナゾン、撃ちますよ? イオナズン。

と懐かしいコピペを思い出します。

ともあれここで、魔王たちから魔力が欠如していることがわかります。その後の車に乗り込むシーンなど、全て真顔。

面白い。面白すぎます。

序盤のファンタジーパートからの落差がそのままコントになっていて、さらに本人たちはシリアスに自分たちの置かれている状況を分析しています。

「エンテイスラ語」によるダレを回避する

6:48~

魔王が前に出されたカツ丼を魔眼? を使って解析します。ここ、重要なのはカツ丼を真面目に分析する魔王のおもしろ可笑しさではなく、心理描写ゆえに日本語で解説がなされることです。エンテイスラ語と日本語の掛け合い漫才も面白いですが、流石に聴き慣れない言葉に触れているのも飽きてきます。日本語を挟むのは良いアクセントになってます。

同時に、アルシエルには魔力が無いが、魔王には魔力があることをキッチリと描写しています。この状況でも冷静にことを進める肝っ玉を表現しているのも良いと感じました。

お互いにエンテイスラ語と日本語で喋っていますが、魔王が魔力によって、警察からある程度の情報を得ようとします。魔力、万能ですね。言語の壁もこれで飛び越えられるようです。

7:49~

アルシエルと魔王が合流し、得た情報を共有します。ここでお互いの会話が日本語に切り替わります。この言語の切り替えがテンポ良く行われるので、解説も苦ではありません。

また「ニ↑ッポン」や「カツドゥーン」など、外国人らしいわざとらしいアクセントを置いた単語が笑いを誘います。

魔力がないこと、ゲートの作用、魔王の魔力が残り少ないこと・・・・。淡々と説明されますが、できるだけ飽きさせないような工夫がいたるところにちりばめられています。

さらには区役所で戸籍、銀行で口座を手に入れるなど、魔王の手腕をいかんなく発揮。すげえ。

10:47~

不動産屋にて、

魔王「ワタシタチ、イエをサガシテラレむぁース」

と、結構なペースで日本語を取得しかけている魔王すげえ。通じたことに興奮するのも面白いですが、これまでの「言葉通じないコント」から「カタコト日本語コント」に変わってるのでこれまでとはまた違う面白さです。

同時に住まいもゲット出来ています。ちゃくちゃくと物語の導入も進んでいるわけですね。

12:21~

住まいがボロアパートに涙ぐむ魔王。しかし理想は高く、諦めません。その真っ直ぐさ、嫌いじゃないぜ。

と同時に倒れこむ魔王。地球に来てからなにも食べていなかったのでした――と徹底的に異世界人っぷりをネタにします。

病院に担ぎ込まれて金が必要だと確信します。

前半最後は履歴書を作成する二人の絵面で締めます。

そして後半では一転する

後半になると、順応しきった魔王とその配下のやりとりで前半からのギャップを狙います。

その後はゆっくりと順応した魔王たちを描写しつつ、主要キャラたちの登場、関係性の構築となります。物語の伏線もしっかりと配置。ソツがないですね。

次話への引きもとても気になる終わり方です。

まさに話作りのお手本

物語の始まりをどこに設定するのか、また、どれだけ世界感を解説するのか、とても難しいです。

その点で、このアニメの一話まさにお手本のように綺麗にまとめ上がっています。

各キャラクターの立ち位置も明確だし、行動の一つ一つに自然です。物語の序盤、一話ということで、物語は動き始め。大抵の場合、ここで「面白さ」を出すのはとても難しいことです。原作を読んでいませんが、恐らく一巻の1/4から1/3くらいまでの部分でしょう。それだけでここまで面白く組み上げるのはシナリオ、シーン緩急、間・・・あらゆる要素に気を配る必要があると思います。

アニメの今後の展開も楽しみですし、原作も読んでみようかなと思います。

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