概要
お節介にお節介すぎる主人公「志村 九地(しむら きゅうち)」は、車に轢かれそうな猫を助けようとして、死んでしまう。しかし、もうろうとした意識の中で、彼は誰かに呼ばれる。
目覚めれば、彼は少女の体に入り、化け物に囲まれていたっ。
という、何処の誰かもわからぬ女の子に憑依? し窮地を救うという物語。
わかりやすい。ものすごく。
感想
とにかくテンションとスピード感を保つ事に終始している。勢いのある大ゴマ、なびく衣服、鮮やかな色。元々はニコニコで漫画連載されているものらしく、一ページ三つの大枠が充てられている。この状態で物語の緩急をつけられているのは中々興味深い。
全編フルカラー。独特なかわいらしい絵と彩色がまず目を引く。
キャラクターたちの性格も単純で、話も複雑な事は特になく、小難しい概念などを理解しなくても良い。窮地に陥る女の子を、どのように救うか。その一点のみに集約されているのが素晴らしい。
黒幕らしきモンスターは、幸せな少女たちが絶望に染まり、窮地に陥ったその瞬間を摘み取るのが目的なようで、その点どこか魔法少女物に通じるものがある。ただ、窮地に陥る少女に入るのが男というあたり、欲望に突き抜けている。
この一冊には、導入となるオーソドックスなモンスターたちに襲われる少女と、成績優秀超真面目女学生が尿意を我慢する話が含まれている。
まあ、肩の力を抜いて羞恥に歪む少女にニヤニヤするのも良いと思うよ。
どうやら「売れれば二巻が出る」ようで。がんばってほしいと切に願う。