隅々まで行き渡る余裕とかっこよさ「オーシャンズ11」感想

「4年の刑期を終え、仮釈放されたカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは、すでに次なる標的を決めていた。それは、ホテル王ベネディクトが経営するラスベガスの3大カジノ“ベラージオ”“ミラージュ”“MGMグランド”の巨大地下金庫に眠る総額1億5000万ドル!計画遂行のためにオーシャンがスカウトしたのは、頭の切れるいかさまトランプ師ラスティーをはじめ、スリの達人ライナス、爆破の達人バシャー、元カジノ・オーナーのルーベン、メカに強いバージル&ターク兄弟、カード・ディーラーのフランク、元詐欺師で変装の達人ソール、配線のプロであるリビングストン、アクロバットの達人で中国系アメリカ人イエン。かくして11人のスペシャリストたちによる犯罪ドリームチームが誕生した!

難攻不落のカジノにスペシャリスト11人が挑む! それだけでワクワクしますが、映画自体は淡々と歩を進めるなんとも不思議な映画。一人一人にキッチリ見せ場もあって良い。

一つ一つの伏線はサラリと流れてのしまい、ほほんと見てると重要な事を見逃してしまう。一秒たりとも気が抜けないのだが、画面からあふれ出る余裕さが本当にカッコイイ。個性的なキャラクターも、それ自体が伏線になっている。恐れ入る。合間に入れるコメディ的なシーンもほどよく笑える。

こういう泥棒ものは、視聴者すらもミスリードしてくれるのが常だが、この映画も類い漏れずやってくれるのが良い。

敵も冷徹。表情を一切変えずに恐ろしさが伝わってくるようだ。全体的に、雰囲気作りと理屈と伏線が綺麗に積み上げられている。何度も見てしまうスルメ的な楽しさがある。

いいね、やっぱりこういうのも。