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Almightが動かない!Chromeでチュートリアルhtmlが開けない場合の対処(windows)

まっくらだー!!

html5でアドベンチャーゲームを制作できる「Almight」で遊んでみようと喜び勇んだ所、デモファイルがまっ暗です。なんだこりゃあ。


スマホ対応HTML5アドベンチャーゲームエンジン – Almight

公式サイトみたいにカッコイイゲームを早く作りたいのに!! キイィ!! と思いながらもとりあえず公式チュートリアルを覗いたのですが、記述が無いです。むむー。

タグを使ってシナリオを書こう | スマホ対応HTML5アドベンチャーゲームエンジン – Almight

確認したら、「tutorial」フォルダの中にある「lib」フォルダを開き、「index.html」というファイルをChromeで開いてください。 (このとき、開発環境のセットアップで設定したChrome起動ショートカットでChromeを起動するようにしてください)

とはあるのですが、肝心の「開発環境のセットアップ」にはショートカットを作るなんて記述はありません。なんでじゃ。なんでなんじゃ!!

開発環境のセットアップについて | スマホ対応HTML5アドベンチャーゲームエンジン – Almight

と思ったら過去に公式で情報がリリースされていました。

デスクトップにショートカットを作り、リンク先の一番最後の所に「 –allow-file-access-from-files」と付け加えます。スペースを忘れないでください。

hogehogechrome.exe --allow-file-access-from-files

あとはこのショートカットからクロームを起動させてからチュートリアルのindex.htmlを開けば良いのですが、既にchromeが動作中の場合、先程追加した設定が反映されません。

タスクマネージャで動いているchromeを停止させてからショートカットのchromeを動かしましょう。

やったー! 動いたー!!

百合をするためのTRPG!「える・えるシスターTRPG」感想

百合風味学園コメディRPG『える・えるシスターTRPG』

体験する機会に恵まれましたので軽く感想をば。

百合をするための素材と要素がきちんと揃ってる

ステータスや要素、ルールなどはPC達が百合をするために必要な物は揃っている感じですね。

コスプレイヤー、クール、めがね、腐などなど。おもしろみのある名前の属性がそろっていて、それがゲームに影響を及ぼしています。もちろん突き詰めるとPC同士の優劣が色濃くなるのですが、そこは同人TRPG、「こういうキャラ」が作りたいという欲求を素直に受け入れてくれます。

心と心の距離をマップに

特殊だなと思うのは、PC達の距離感をそのままマップに落とし込んでいる点。物理的な距離ではなく、お互いの親密度をマップにしているんですね。その名も「ココロマップ」。マップの移動は一緒にシーンを演出した相手に任せるというのも面白いです。しかし、リソースである「ハート」もマップに置かれるので、移動するのに躊躇したくなる場面もあります。

シーンは少し複雑かも

日常シーン、対決シーン、暴走シーン、すれ違いシーンなど。どのようなシーンを演出するのかという選択肢も多いのですが、その分いつ出来るのか、それでどうなるのかという把握が難しいですね。また、シーンの中身はプレイヤー達に任されます。

キャンペーン前提という印象

「親密度」という他PCへ対するステータスは最高値100なのは良いとして、それが1セッション10程度程しか上がらない、シーンなどを積み重ねていく上でPLに内容が一任される部分が多いという事で、どちらかというとキャンペーン前提になっている気がしますね。

まとめ

戦闘一切なしの女の子同士のやりとりが遊べるTRPG、色々な属性の女の子をシステム自体が対応している。というのは面白いです。スッキリとしたステータスや、かわいらしいキャラクターシート。見やすいDTP等々。力の入れようが窺えますね。遊んでみると、なるほど女の子達の感情の動きが視覚化されていてロールしやすいです。

ただ、システムがサポートしているのはここまでで、これを遊べば必ず女の子達が百合百合し始めるといった所まではいかないので、プレイヤー達がどのような百合へ持っていくのかを考える必要があります。

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百合風味学園コメディRPG『える・えるシスターTRPG』

原作もどうぞ。

はちゃめちゃっぷり無限大のレースゲーム「TrackMania²」感想

Steam:TrackMania² Canyon

バランス無視のはちゃめちゃコース

大ジャンプは当たり前。加速板にコース無視、巨大ループなどまさになんでもあり。操作も簡単。さくっと遊べてさくっと辞められる。良い感じにカジュアルだ。

グラフィックもかなり綺麗で、コースのバラエティも見てて楽しい。コースカスタマイズもあり、なんだこりゃというコースがお手軽に出来る。

最大100人でのマルチプレイ

トラックマニアといえばマルチプレイ。ネットで全員一斉にスタートしてタイムアタックを行う。これがもう面白くて仕方が無い。

ジャンプで明後日の方向へ飛んでいくライバルを横目にほくそ笑んでると、こっちも壁に激突。スタート地点に戻ってみれば顔を見合わせる。1位の人の上手さに嫉妬しつつ自分も順位を上げていく楽しさ。

誰かが作った意味不明なコースを皆で試行錯誤しつつゴールへと辿り着くのも良い。

普通のレースゲームでは絶対に味わえないカジュアルさがここにはあって、ちょっと時間を見つけてはついつい遊んでしまう。

お手軽なレースゲームを探している人は是非

そういうわけで、シミュレーションやリアルなグラフィック、ダイナミックな破損などにそこまで興味がないが、レースゲームは一本くらい欲しいな。という人に本作はお勧め。

本作はシチュエーションごとにタイトルが別かれている。Canyon. Valley. Stadium.だ。シリーズ三本パックだと一本分の値段で買えるからお得。

Steam:TrackMania² Canyon

最適化されたサイコロフィクション「キルデスビジネス」ルールパート感想

他人を蹴落としてまでも叶えたい願望のある人間を集めて開催される、地獄のリアリティーショー「キルデスビジネス」

標的には死を、ライバルにも死を。全てが許されるゲームが始まった。

全ては視聴率のために。

ボードゲームの祭典「JGC」にて、先行販売されたものを早速プレイしてみました。方々でも感想はあがってるかと思いますが、本記事はあくまでシステムルール自体の感想に終始します。

全体的に軽い

とにかく軽い。

キャラクターシートに記入する項目も少なく、HPやMPのような概念すらも取りさらった潔いステータス。キャラの性質や性格もランダム表が用意されており、迷うならそれに頼れば特長的なキャラクターがすぐに出来上がる。

地獄に呼び出された人々がテレビ番組に出演させられて標的を殺すことを要求される。それぞれ他を蹴落としてでも叶えたい願望があり、この番組の景品ともなる。しかし、それが叶うのは一人だけ・・・。ここまでお膳立てしてくれるので、プレイヤーもスムーズにゲームに入り込むことができるし、まどろっこしいモノローグも必要ない。

攻撃はスキルにて行う。スキルには一行から二行の記述で効果が収まっているので判断に迷う事もない。一人二つのクラスを選択し、クラスごとに三つずつのスキルが用意されている。二つのクラスで計六つのスキルを自動で取得。どれを取得して、どれを省くかなんてまどろっこしい事もない。とにかくクラスを選べばもうそのキャラが完成する。攻撃が成功すれば相手が死に、失敗すれば反撃されてこっちが死ぬ。シンプル。

インパクトがありながら、数行の説明で済む世界観

舞台は地獄。しかし独自の文化や地図や名前なんてものを説明する必要はまったくない。地獄のものには全て「ヘル」がつくだけだ。「ヘル」がつけば全て地獄のもの。とにかく「ヘルヘル」言っておけばそれでOK。アホらしいがインパクト抜群で、実際やってみるといつまでも頭に残るほどに影響力の強い設定だ。

「ここはヘル教会のヘル祭壇です。標的が懺悔をしているところに貴方たちが登場しました。足元にはヘルプロデューサーが指示した通りヘル目張りが張られているので、そこに立って整列してください。一瞬送れてヘル花火が爆発してヘル火花が散り、ヘルファンファーレが音量『ヘル』で鳴り響きました!! ヘルカメラマンがヘルローアングルで貴方たちのヘルカッコイイポーズをヘル写します。音楽が切り替わり『ヘルバッヘルベルンのヘルカノン』になったところで戦闘がスタートします」

始終こんな感じですばらしく楽しい。

作成されるキャラクターも妄言と妄想を詰め込んだものを作れれば完璧だ。例えばウインクで相手が蒸発するとか、お辞儀をすると相手が爆発するとか、抱きつくと相手が粉砕されるとか、オヤジギャグを言えば相手が凍り付いて死ぬとか。そんなことを考えながら楽しくわいわいキャラを作ろう。

そぎ落とされてコンパクトにまとまったルール

一方で、システムルール自体はかなりコンパクトにまとまっている。まるでボードゲームのようにキッチリとしており、GMの調整が入り込まないほど。最悪全員プレイヤーでも成立するのではないかと思えてしまうくらいだ。

GMの作成する標的と、それを守護する守護天使も実際そこまで強くもない。あくまで標的であり、倒される存在であると完全に定義されている。PLたちは「誰が」それらを倒すのか、「誰を」出し抜くのか、という思考戦が始終展開されており気が抜けない。まさにボードゲーム的というか、カードゲーム的というか、戦略が物を言う。

戦闘に破れると強くなるというのも面白い。わざと負けるという選択肢すら出てくるからだ。

サイコロフィクションというTRPGシステム群の、ひとつの最適解にも見える反面、サイコロフィクションだからこそというデメリットも見えるのも事実。手番があり、サイクルで一人ずつ行動していくのがサイコロフィクションだが、戦闘は長くなりがちだし、その間参加しない人は待機することになる。暇な時間がどうしても出来るというのは、まあ今までのサイコロフィクションでもあったことだ。ロールプレイをいくらでもできて口を軽く挟める人なら問題ないかもしれないが、今回は対立の面が強いので今までより色濃くそういった部分が浮き出る。もしかするとこのシステム面で合わない人は出てくるかもしれない。

最終的な勝利をどうイメージするのか、どうロールプレイをするのか、どう立ち回るのか。多方面で思考をまわすので以外と負荷は高い。しかし、パーティーゲームのような手軽さも同時に併せ持っているので、初心者のTRPG入門にはぴったりなのかもしれない。断言できないところがTRPGの難しいところでもあるなと思う。

とにかくテンポ命の新感覚すぎるラブコメ「恋愛暴君」感想

男子高校生・藍野青司のもとに、任意の二人を強制的にキスさせるという不思議アイテムを持った死神風の少女・グリが現れた。強引にキスを迫ってくるグリに対し、青司は……?
メテオの新星・三星めがねが贈る、抱腹絶倒ラブコメディ第1巻!

コメディに突き抜けすぎる

とにかく設定やら何やらが軽い。名前を書くとキスをして恋人同士になる「キスノート」は勿論、最初のヒロインである「グリ」は恋愛感情を持たないながらホモ趣味。主人公とキスをしてもきょとんとした表情をしているのは何だか新しい。

主人公も主人公で、ラブコメでよくあるような鈍感主人公ではなく一般的な常識と恋愛観を持っている。こんな二人がラブコメに放り込まれるのだから暴走するのは当然のことだ。

後々追加されるヒロインもひどい(褒め言葉)。主人公が元々好意を抱いていた女子生徒はヤンデレだったし、そのヤンデレを好きな女の子も登場し三つどもえ、四つどもえの体相をなしてくる。

とはいえ、ラブコメらしさを忘れているわけでもない。グリの世間知らずながら特殊な性癖のせいで暴走し、それに巻き込まれる主人公の苦悩は計り知れなく面白おかしい。絵柄もかわいいし、まどろっこしいヤキモキさなどはない。

思うに、これは美少女ゲーム、ぶっちゃけエロゲー的な設定を無理矢理にでも一般的なラブコメディに持ち上げた作品ではないのかと思う。アホらしい設定を真面目にここまで持ち上げてみせるアホらしさが素晴らしい。もちろん褒め言葉だ。今回はキャラクター同士の顔見せと言った具合で、本格始動は次巻からといったところ。次巻が楽しみだ。

手強い難易度と魅力的なシステムと8bitで三次元な世界感「FEZ」感想

懐かしくも新しい

Steam:FEZ

動画を見て分かるとおり、8bitの世界感に三次元的な要素を加えたかなり斬新なゲームだ。

かわいらしいキャラクター、カラフルでレゴ的なワールド。放牧的としていてほのぼの。ナビゲートしてくれるキャラクターもとってもキュート。

「四角が好きだね、立方体なんてあるわけないよ!!」とNPCキャラクターが言うように、主人公は元々二次元の平面世界を生きている。

しかし、そんな主人公は老人から立方体を託され、三次元の世界へとアクセスする能力を手に入れる。世界にちらばる立方体を集めて世界を救うのが目的。

ファミコン的、PC98的な8bit要素が随所に見られ、ちょっとしたパロディもいくつかある。二次元から三次元へと移行する演出はワクワクさせてくれた。

音楽もピコピコした音の中にクリアなサウンドが混じって不思議な感覚になる。

決してボリューム不足なことはない

このゲームはアクションパズルだ。二次元世界をぐりぐり動かし、行けなかったはずの場所へと移動する。これがかなり頭を使う。

かなり考え込まれたゲームシステムだと唸らされる。

しかしフィールドとフィールドがかなり複雑に入り組んでいて、把握するのにも時間がかかる。ワールドマップも分かりやすいように工夫されているが、全てのフィールドを歩き回るのは大変だ。手応え抜群、少し癖のあるゲームだが、腕に覚えがあるなら丁度良い暇潰しになること間違いなしだ。

しかしこんなゲームが低価格で購入できるとは。本当に良い時代だなあと思う。

物語における「リアリティ」はどこまで追求するべきか

はじめに

まあ簡単な思考実験なようなもので、特にライトノベルはRPGゲームなんかによくある特殊能力についての思考実験であります。

たまに物語を評価するときに「リアル」ではないからという理由で否定する人がいます。おそらくその人にとっては、リアルであるかないかが「おもしろい」か「おもしろくない」の基準になるのでしょう。

御坂美琴はどのような能力を所有しているのか

たまたま目に付いたこの娘で考えてみようと思う。

御坂美琴は「とある科学の超電磁砲」の主人公で、発電系の能力の持ち主。

有する能力はレベル5の発電系能力「超電磁砲(レールガン)」。

発電能力における最高の能力であり、他の同系統能力者とは別格の強さを誇る。後述のように多彩な攻撃技や様々な応用も利くオールラウンドな能力である。

基本となる攻撃は速度と連射性に優れた直接電気を放出する電撃。作中ではよく高圧電流の槍を投げつける「雷撃の槍」を使用しており、最大電圧は10億ボルト。落雷を落とすことも可能。

御坂美琴 – Wikipedia

能力の詳細はこんな感じ。

どういう原理か

良く見る「超電磁砲(レールガン)」は指でコインを弾いて電磁加速を加えて敵を攻撃するものだが、電磁加速というからには、おそらく原理的には「コイルガン」のようなものだと思われる。イメージ的にはトンネルのように電界を作って、その中をコインを潜らせるのだ。空気中の酸素濃度が湿度を自在に操る必要がある。

コイルガン – Wikipedia

現実にある「レールガン」は、電位差のある電気を流したレールの間に弾丸となる物体を置き、そこに電流が流れることによって発生する磁場によって発射される兵器だ。御坂美琴の小さな手では、レールとしては距離が短すぎる。

レールガン – Wikipedia

仮に彼女の技が「レールガン」の原理によって発動していた場合のことを考えてみようと思う。

急激に加速するコインの衝撃に耐えられる耐爆能力。摩擦による熱を防ぐ耐熱能力。一極集中しても皮膚が破裂しないために絶縁性能、耐電能力。電流をスムーズに移動させる導電能力。周囲に放電しないための空気濃度、もしくは湿度変化能力。

身体的にも、彼女の筋肉、骨はスーパーマンなみに強力な可能性がありそうだ。

他にも周囲にある鉄を自由に浮遊させたり、砂鉄を操ったり。はては空気中の水分を利用して加速浮遊移動を行えたりするらしい。マグニートー真っ青ってレベルじゃない。

と、計算はしなくても彼女の能力がどれだけ半端無いのかを推し量ることはできる。しかし、物語の「楽しさ」に、こういった視点は必要だろうか? 一度立ち止まって考える必要があると思う。

同様の問題はゲームなどにもある

あるFPSゲーム(一人称視点で銃を持ってお互いに打ち合う対戦ゲーム)には銃弾が部位に当たる事によって「負傷する」という要素があった。肩に当たれば命中精度が下がり、足に当たれば走れなくなる。顔に当たると血で視界が悪くなってしまう。血が流れれば早く止血しないと死ぬ。などだ。

そのゲームが果たして流行ったかというと、最初はニッチな人気は得たが、最終的にはバランス調整に失敗。過疎の一途であった。リアルを求めるとゲームとしての「楽しさ」とのバランスをとるのがとても難しくなる。

時には現実的な思考は邪魔になるという良い例だと私は思う。

まとめ

創作をしていると、どうしても能力を現実的な面から考えてみたくなる事がある。そういうときに「これだけリアルにしたんだ。おもしろいに違いない」と考えるのは思考のループに陥りがちだ。敵の能力は? 味方の能力は? 倒し方は? 矛盾していないか・・・?

最終的に、人に見せる前にストーリーライン上に矛盾が生じて、筆を進める事が出来なくなる。自分の物語に自分が殺されてしまう。そして、そうやって完成した物語は果たしておもしろいのかどうか・・・?

もちろん、それ相応の膨大な知識量に支えられた緻密な物語は確かにある。かなりの労力が必要なのは明白だけれども。

いつだって問題はトレードオフだ。あちらを立てればこちらが立たない。説明に終始すれば物語は進まない。物語に終始すれば説明がおろそかになる。意識的にバランスを計る必要がある。

これこそ”続編”に相応しい「オーシャンズ13」感想

ダニー・オーシャン率いるチームが復活。今度の獲物は冷酷無比なカジノ経営者であり、オーシャンの仲間を裏切ったウィリー・バンク(アル・パチーノ)。暴力なしで誰も傷つけず、バンクを懲らしめるために集う仲間たち。ターゲットはふたつ。ひとつはバンクが自身の名を付けた新しいカジノ・タワー“バンク”のグランド・オープンを狙い、バンクを財政的に破綻させること。もうひとつはホテル経営者最高の栄誉である“5つのダイヤ賞”の受賞を阻むこと。バンクを破滅させるために動き出すオーシャンたち。実行不可能の危険なゲームが今始まる!

前作のレビューはこちら→隅々まで行き渡る余裕とかっこよさ「オーシャンズ11」感想 | aoringo works

オーシャンズのテイストそのままに、続編らしい続編です。12と来て順調に正統進化と言えるかと。あのかっこよさ、余裕さはそのままに好き勝手暴れてくれます。

さらにはこれまでが有るからこそ見せられる展開があり、とにかく燃えます。目的のために突き進む面々はやっぱり余裕でカッコイイ。

ただ、各々の思惑が重なり複雑。群像劇の面もさらに濃くなり、最後で収束する様は気持ちいいものの何がなにやらという感覚があるのもまた事実。何度も見てみる必要がある所もあります。

無駄な所は一切なく、トラブルはトラブルで格好良く決めていく。問題を迅速に解決していく機転と采配はワクワクさせてくれます。次があるなら、次の悪役は一体誰だ? と期待して待とうと思います。

[ネタバレ]しかしどうしても気になる「パシフィック・リム」の細かい所を突っ込む

大ヒット上映中! 3D/2D同時上映|映画『パシフィック・リム』公式サイト

ネタバレですよー

感想にて、「細かい所を気にせず楽しめば良い」なんて言いましたが、まあ、やっぱり下手の横付きで要らない茶々を入れたくなるのが人間でありますよね。(とにかく大迫力・息継ぎなしのロボットアクション「パシフィック・リム」感想 | aoringo works

投げた後追撃しようよ

イェーガー達はとにかく投げ技とパンチ大好き。特に中国のイェーガーは格好良く敵を投げ飛ばします。しかしただ投げただけでダメージがあるようにはまったく見えない。その後の追撃をするでもなく、敵の出方を待つ。基本的に堅い外骨格なのかパンチやキックで血出てくれないし。

EMP攻撃に耐えるって?

敵のEMP兵器、恐らく体内で核爆発に似た何かを発生させて電磁波によって周囲を沈黙させるのでしょう。対イェーガーに向けた必殺兵器かと。電磁シールドとかしてないんですかね? まあともあれ、直撃を受けたイェーガー、見える範囲の都市機能、味方本拠地の機能が完全に停止します。そこで主人公が「俺たちのイェーガーはアナログだ!」あ、アナログで動くイエーガーってなんだろう。そこはこう、あの攻撃があったときは電源が入ってなかったから動けるとか、そういうので良かったんじゃないですかね? アナログだろうがなんだろうが、少しでも電子部品積んでればお陀仏な攻撃だったと思うんですが。

さらに、基地も沈黙しているのにどうやって運び出すんだろう。あとヘリとか。と思ってたら普通にヘリで現地に飛んできました。どういうことなの。

緊急脱出装置を積んでいないのか

イェーガーと同じくらい重要なのがパイロット。二人乗りで運用する以上、その価値は普通の軍人さんよりも高いはず。しかし、緊急脱出するような場面、というかそのような機能がある描写は主人公のイェーガー以外にありません。ロシア機などは浸水による満水死となってしまいました。

夜戦好きだね

とにかく夜の戦いが多い。おまけに雨などで視界が悪い。イェーガーの放つ光とカイジュウの眼光とディティールでカッコイイ絵が撮れるのは分かるけれど、もっと白昼の下でガシガシ戦って欲しかった。

それは計算じゃない。

「どんどんカイジュウが出る間隔が短くなってるんだ! 僕の計算によれば~」って、それってただの実測から推し量れると思うんだ。間隔が短くなってるのは事実だし、計算で導き出せるくらい正確なら皆体感的に感じているはず。もちろんそれ以外にも色々と計算はしているのかもしれないけれど、なんだかやった仕事が「カイジュウの出る間隔を割り出した」だけみたいな事になってるのは不憫でならない。

元軍人として弾を使い切るのはどうなのか

主人公はとにかくプラズマキャノンを敵に放ちまくる。その上で死んだであろうカイジュウに「確かめよう」と死体蹴りよろしく数発ぶち込む。明らかに必殺技っぽいのにそんな気軽に使いまくっても・・・。と二匹目での戦闘時に「もう弾は使い切った!」って。やっぱり全弾使い込んでました。弾の無い銃を抱える程怖いことはないと思うのですが。格闘だけでいけると思っていたのですか。

最初に出そうよ追加武器

「くそ! 武器は何も無いぞ!!」「武器ならあるわ」とここぞとばかりに出る新兵器。いやあ、最初に出して欲しかったな、それ。というか主人公も自分の乗るイェーガーのスペックはちゃんと見ようよ。元軍人でしょ? それあれば死体蹴りで無駄打ちしたプラズマキャノン温存出来たんじゃないだろうか。

それ、本当に被爆?

元大佐は鼻から血を流し、もう一度イェーガーに乗ったら死ぬとのたまうのだけれど、その理由が「被爆したから」って、どちらかというと乗りすぎで脳に負担がかかりすぎてるだけなんじゃ無いか? と思えるんですが。しかももう一度乗ったらって、そんな具体的に。 というか現在進行形でイェーガーは放射能もれもれなんですかね。そんな危険なのにヒロイン乗せるなよという気もしますが。

海に入るなぁー!

陸上ですら手に負えないカイジュウ相手に海中で挑むなんて気がしれません。主人公機は案の定プラズマキャノンが使えなくなって剣のみだし、視界は最悪。敵はすいすい泳ぎ回ってる。こわっ! こわっ!! もう少し頭を使ってくれ。お願いだから。

独断すぎないか

強大な敵に囲まれ、タイミングを図り自爆する。凄く格好いいシーンのはずなんだけれど、「これから自爆する」って大佐勝手に決めるなや。隣に人乗ってるんだが。というか緊急脱出装置はやっぱり無いんだね。お隣さんも「ご一緒できて光栄でした」って一緒にボタン押すし。君のお父さんなんともいえない微妙な表情してたよ・・・。

カイジュウの赤ちゃんって

カイジュウの脳に入って情報を探るのは「おおっ」と思った事だけれど、赤ちゃんにやるのはどうなんだろう。カイジュウ同士は繋がっている的な話は出ていたけれど、赤ちゃんの脳に入り込んでも詳しく色々と見れるものなんですかね。

GLaDOSたんじゃないのおおおおおお

イェーガーのナビ子の声は、吹き替えじゃなければゲーム「Portal」のボスキャラ「GLaDOS」というAIの声でした。これは意図的なもので、開発元のSTEAMからも許可を取り付けてます。いくつかのニュースサイトでは「GLaDOS映画デビュー!」なんて見だしてパシフィック・リムが紹介されていました。その声は「大ヒット上映中! 3D/2D同時上映|映画『パシフィック・リム』公式サイト」のメニューへアクセスすることで聞くことが出来ます。

どれだけ吹き替えがよくても、GLaDOSたんの声がきけないなんて。ああ。BDが出たら是非とも字幕版でも見てみてくださいねorz

となんやかんや言っても

特に気になった所を上げただけですけれども、このように色々と粗はあるんですが。ここら辺に口を出すと負けなんですよ。カッコイイモチーフのためには道理も理屈も通らないのです。早くBD出ないかなあ。

ハードな世界感ながらもキャラクターの奇抜さが光る「ブラッド・クルセイド」感想

死から蘇り、永遠に生き、人の血を啜るもの―吸血鬼。彼らの決して満たされない飢えと欲望によって破壊されていく世界を守るため、狩人は夜を駆ける。狩りの終わりに待っているのは、死よりも忌まわしい運命だと知りながら。これは人類の曙から連綿と続く隠された闘争。その継承者たちの物語が、いま幕をあける。

緊張感に押しつぶされそうになるゲームプレイ

冒険企画局からリリースされるサイコロ・フィクション。リプレイとルールが一冊にまとめられており、空気感を味わいつつセッションに挑めるとても良心的なシリーズだ。そのシリーズの一つであるブラッド・クルセイドは吸血鬼と狩人たちの物語。

吸血鬼といっても、「ヘルシング」に出てくる吸血鬼たちなみに知力に富み、剛力を振るい、神速で襲いかかってくる。生半可なキャラを作ると簡単に弄ばれ殺されてしまう。そういう意味ではかなり人を選ぶタイトルにはなってしまっていると思う。実際、私が初めて経験した「ブラッド・クルセイド」では全滅の憂き目にあった。しかし、そこから生まれる絆、連携、達成感はまさに格別だとも思える。

吸血鬼を追っているはずが、道中で血を吸われたり、幸せの象徴である心のあり所を破壊されたり。一切の気の緩みも許されない。

強大な敵に立ち向かい、ボロボロになりながらも剣を振り上げ、渾身の一撃で葬る。そんなハードな世界感を体験したいなら、このTRPGタイトルはまさにお勧めだ。

個性的な面々

サイコロ・フィクションは基本的に行動とロールプレイがワンセットだ。アイテムを探す、という行動をするとしたら「どういった手段で、どのように」と理屈を通さなければならない。そういう意味で、PLもGMも皆で一つの物語を組み上げていくという実感が一層強まるゲームシステムだと私は思う。

本書のリプレイを見ると、面子の方々が作り出したキャラクターは本当に個性豊かだ。厨ニ病に染まった弓使い、復讐に燃え精神が不安定な釘使い、己の血を呪い自ら動くことを拒絶した人形使い、家と血筋とプライドで自分を固める剣使い・・・。妄言に妄言を上乗せするような会話劇は本当に面白い。

そして、一見ハードすぎる世界感も、尖ったキャラクターたちによってどこへ進むのかわからない一種の緊張感を生み出している。

個人的に面白いのは、手酌によるシーン進行を皆でどんどん膨らませている所だ。

PLの一人であるゼロは、吸血鬼の手下である一人を戦闘前に闇討ちする。GM以外は皆PLだ。

ゼロ◆《待つ》行為判定/成功

ゼロ:当てた。

GM:佐藤はコンビニ前で煙草を吸いながらしゃがんでる感じだったんですよ。

銃児(佐藤):「マジ真さんスゲェから。あの人は世界クラスだよ」

ミナ:ひゅるるるるるる。

ヒルコ(取り巻き):「佐藤さんよりツエーとか信じられねえッスねえ」

銃児(佐藤):「ばっかおっめ」……矢がドブっと。

ゼロ:壁に縫い止める感じ。

銃児(取り巻き):「うわー、さ、佐藤さんが標本のモンシロチョウみてえに!」

ミナ(取り巻き):「抜けねえ!」

ヒルコ(取り巻き):「具体的には次の戦闘に出られねえほど抜けねえ!」

ブラッド・クルセイド p58より

こういった掛け合いが多く展開される。時には自分以外のPCのロールにまで及ぶことも。プレイスタイルにはいくつもあると思うが、このような遊び方がされているのは初めて見たので、私としては「そっか、これって良いんだ」と新しい発見ができた。(私はまだTRPGを初めてまもないので、こういった掛け合いがされているリプレイは多々あるかもしれないが)

場の雰囲気も勿論あるだろうが、できることならこういう遊び方は一度やってみたいところだ。

サイコロ・フィクションは説明が難しいTRPGシステムジャンルだ。リプレイを読むだけでは中々何が起こっているのか把握しづらい。この本もリプレイ部分ではどうにもイメージしにくい所はある。それでも、TRPGの一つの遊び方を提示できているのは凄いことだと思う。